日本语原文
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汉语译文
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第三日
廖さんの家で朝食を済ませ、徳保の特産物である茴香(ウイキョウ)油の精製工場に行った。ホテルから見えるカルスト地形の山の向こうに普通の山があったが、そこで茴香が採れるとのことだった。茴香は英名をフェンネルと言うセリ科の植物で、さわやかな芳香があるので古くから料理や菓子、酒類に使われてきた。徳保では世界の六十パーセントを産し、フランスなどに輸出しているとのことであった。工場は土曜日だったので操業はしていなかったが、工場長など数人の職員がわざわざ出てきて説明してもらった。事務所の中にも良い香りが漂っていた。帰りがけに記念にと氷点の違う二種類の茴香油をもらったが、その後瓶から少し漏れたので旅の間中良い香りがしていた。私は茴香の香りが好きなので時々嗅いで楽しんだ。
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第三天
在廖先生家里用过早餐以后,我们去了德保特产茴香油的精制工厂。在酒店可以看到喀斯特山地的对面有一些普通的山,据说茴香油就是在那里出产的。茴香的英文名叫fennel,是水芹属的植物,有清爽的芬芳,所以自古以来就用来配菜、点心和酒类。据说德保茴油的产量占全世界的60%,出口法国等国家①。因为那天是星期天,所以工厂不开工,厂长等几个职员特意来为我们讲解,在办公室里洋溢着芳香的味道。临走的时候,我们收到了冰点不同的两种茴香油当作纪念。后来因为有瓶漏了,旅途中一直可以闻到散发出来的清香。我很喜欢茴香的味道,所以不时地嗅一嗅,特别开心。
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廖さんの家に戻りお母さんも乗せて靖西県に向かった。途中老虎洞と言う鍾乳洞に立ち寄った。ここは中が大きなドームになっていて、隅に売店があり酒類を売っていた。スタイルが良く可愛らしい売り子の娘さんが三人いたが、一日中こんな薄暗い所にいては日光が懐かしいだろうなどと思った。その中の一人に案内されて酒を貯蔵している洞窟に入った。中は鍾乳石が複雑な景観を作っていて、所々にある棚のような平たい場所に、人の身の丈ほどの酒を貯蔵する大きな甕が置いてあったが、どのようにして置いたのか不思議だった。貯蔵しているのは、このあたりで獲れるオオヤモリを漬け込んだ酒だそうだが、売店でも二十センチくらいのオオヤモリを入れた酒があり、興味はあったが荷物が重くなるので買うのは諦めた。 |
回到廖先生家里以后,他的母亲也乘了车,和我们一起到靖西县去。在途中我们顺便玩了老虎洞。这里面有一个很大的半圆形洞顶,角落里有一个商店,我们在那买了酒。里面有三个装束很可爱的姑娘,整天在这样昏暗的地方,我想她们该怀念阳光了吧。其中一个人带着我们进入到藏酒的洞穴里去。里面有钟乳石形成的复杂景观,在随处可见的象架子一样平坦的地方,放置着象人一样高大的藏酒罐子,如何放置上去的,真是不可思议。听说贮藏的是在这一带捉来的蛤蚧浸泡的酒,在那个商店里也有大约长20厘米左右的蛤蚧酒卖,虽然我也有兴趣,不过行李太重,就断了这个念头。 |
息子達には「神鞭酒」と言う小ぶりの瓶に入った酒を買った。オオヤモリの精巣が入っているようで、効能は「壮陽」とあった。「陽」は中国語辞典によると男の性器を意味するようだから、要するに「男の酒」と言うところだろう。箱には「MAGICAL MALE WINE」とあり、瓶のラベルには「MAGICAL PENIS WINE」とあるので笑ってしまった。 |
我给我的孩子们买了小瓶装的“神鞭酒”,好象是泡进了蛤蚧的精巢,写有“壮阳”的功效。根据汉语辞典,“阳”是指男人的性器官,那也就是说是“男人的酒”吧。盒子上写有“MAGICAL MALE WINE”,瓶子的标签上写有“MAGICAL PENIS WINE”,我们都笑了。 |
靖西県に入る途中の村の道端に一頭の小さい馬が繋がれていた。徳保矮馬と言う世界で一番小さい馬とのことで、車から降りて写真を撮ったが、私の胸のあたりまでしかないから、丈は一メートルほどだった。小さいけれども結構力は強いそうで、その後も車を牽いている姿などをよく見かけた。
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进入靖西的途中,有个村子的路边系着一匹矮小的马。听说是世界上最矮小的马——德保矮马,所以我们下车照了相,那匹马顶多到我的胸口,高不过一米左右。虽然很矮小,但是据说很有力气,后来我们也经常看到了这种马拉着车的姿势。 |
渠洋(キョヨウ)湖 靖西県に入るとカルスト地形の連続でなかなかの景観だったが、しばらくしてきれいな湖のほとりに着いた。これは広西壮族自治区最大のカルスト湖で、向こう岸が見えるのでそれほど大きなものとは思えないが、地図で見ると複雑な形で南東から西北にかけて広がっているかなり大きな湖のようである。湖はそれこそ「鏡のような」という形容がぴったりで漣一つなく、小さな発動機船で対岸のチワン族の村に三十分ほどかけて渡った。周囲はカルスト地形の島や山ばかりで、静かで美しい風景だった。
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渠洋(Khyyarng)湖
进入靖西县以后,到处看到连续的喀斯特地形造成可观的景象,不久我们就来到了一个美丽的湖畔。这是广西壮族自治区最大的喀斯特湖,因为可以看到对岸,很难以想象是那么的大,不过看了地图后才知道其形状复杂,自东南到西北走向展宽,看来是一个十分大的湖泊。这个湖毫无涟漪,正是用“象镜子一般”那样的话来形容才是恰当的,我们乘坐着小小的发动机船,大约30分钟以后到达对岸的壮族村寨。周围全都是喀斯特地形的岛屿和山峰,一派幽静而美丽的风景。 |
村の小さな船着場は、湖水に茎の下部が浸っている玉蜀黍畑の間に石が置いてあるだけの狭い場所で、船を下りると何人かの村人が珍しそうに見守っていた。実際、日本人など訪れたことはないのだろう。村と言っても十数軒の古い家が湖の近くにあるだけで、家はどれも高床式住居と呼ばれるものである。高床式と言うのはその名の通り床が高く、中央の入り口には十段くらいの石段があり前方はテラスになっている。床の下は豚やアヒルなどの動物を入れたり物置にしたりしている。その中の一軒の農家が廖さんのお母さんの知り合いとかで、それでわざわざお母さんが同行してくれたようだった。この家の中は広くて天井が高く、炊事、食事、穀物の貯蔵などのスペースになっている。床は隙間があり、歩くとぎしぎししていた。奥には家人の部屋があるようだが見ることはしなかった。
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村寨的小码头是一个玉米地之间放置着石头的狭窄地方,玉米被湖水浸泡了茎的下部。刚下船,就有几个村里人很希奇似的看着我们。实际上,应该是从来没有日本人之类的人来访问过吧。说是村子,也只有湖边十几间古老的家居,全都是高床式②的居室。所谓高床式,顾名思义,就是地板在高处,中间的入口处有十段左右的石阶,前方形成一个晒台。地板下养有猪或鸭子等动物和放置东西。其中有一家似乎是廖先生母亲的认识的人,所以他母亲专程过来和我们同行。那家里面很宽敞,屋顶很高,形成储存炊具、厨具、谷物的空间③。地板有缝隙,走起路来嘎吱嘎吱响。里面看来是这家人的卧室,不过我们没有进去看。 |
家の男性達がアヒルや鶏の羽毛をむしって料理の準備をしていたが、まだ時間がありそうなので、もう一度船に乗り周辺を見て回ることにした。しばらく行くと岸辺に幾つかの民家が見えてきた。港舊(ハンカオ)と言う村だそうで、上って見た。やはり高床式住宅であるが、初めの村よりも整っているように見えた。 |
家里的男人们拔鸭或鸡的羽毛准备作菜,因为还有时间,所以我们决定再次乘船周游这一带。坐了不久的船,又看见岸边有几家民居。说是叫“港舊(Harngkao)”④的村子,我们就登上岸去看。这里还是杆栏式住宅,也看到了比刚才那个村寨要整齐一点。 |
前の村に戻り昼食にした。先程羽毛をむしられていた鶏やアヒル、豆腐の料理、それに粥だった。料理と言ってもただ醤油で味をつけて煮ただけのような、粗末と言えば粗末な簡単なものだったし、場所も普段その家の人達が使っている、とてもきれいとは言えない薄暗い所で、食べていると二匹の犬が足元にやって来るのでそれに食べた後の骨を投げてやるというような、およそ客をもてなすというようなものではないのだが、それだけに気楽で、美味しく食べた。このようなことは普通のツアーだったら文句が出るかも知れないが、そんなツアーではとても味わえない面白さがあり、すっかり気に入ってしまった。 |
回到刚才的村子去吃了午饭。午饭是刚才被拔毛的鸡和鸭、豆腐做的菜,还有白粥。说是料理,其实也只是放些酱油作为调味煮出来的东西,说粗糙也也粗糙简单,而且地方也是那家人平时吃饭的地方,不能说很干净,有些昏暗,吃饭的时候还有两条狗在脚下来回走动,吃剩下的骨头就扔给那狗,大体上称不上招待客人的方式,但是我们很愉快地美餐了一顿。这样的事情在普通的旅游团来说可能会有抱怨,不过大有在那样的旅程中无法体会到的乐趣,我完全喜欢上了这样的旅程。 |
村人達と別れて船を出すと、横手から一人の女性が小船を漕ぎ出して来た。どうやら少し湖面に出て洗濯をするらしかった。ここでの生活は水とは切ることが出来ないものなのだろう。 |
和村里人告别以后我们乘船而出,旁边有个女人开始划着小船出来,好象是要到湖里去洗衣服。在这里的生活大概不能与水没有关系吧。 |
渠洋湖を後にして、靖西県の中心の町新靖鎮に行き、ここで廖さんのお母さんと別れた。 |
离开渠洋湖,我们就往靖西县的中心新靖镇去,在那里和廖先生的母亲告别了。 |
鵞泉(鵝泉) 周囲をカルストの山に囲まれた静かな所にある。採り入れ作業をしている玉蜀黍畑を抜けて行くと鵞鳥の群れが泳いでいる池が姿を現わした。しばらく歩き木橋を渡ると小島があり、有名な王羲之の書と伝えられる「鵞」という大きな文字が刻まれた石碑が建てられている。鵞泉はその島の向こうにあった。エメラルド色の水をたたえ池のように見えるが、これは泉で多量の水が湧出し、次の日訪れた大きな滝のある水量豊かな川の水源になっているとのことだった。昔一人の老婦人が泉の傍で二個の鵞鳥の卵を見つけ育てたところ、これが竜王の子供達で、その成長と共に泉はしだいに大きくなり、後にその婦人は竜王の恩恵を受けたということで、鵞泉という名称はその伝説に由来するとのことである。かなり暑かったが、あたりはとても静かでのどかな風景だった。
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鵞泉(鹅泉) 在周围都被喀斯特山地包围的幽静的地方。穿过正在收割的玉米地,一个游弋着鹅群的池水展现出来。走了一会,过了木桥,有个小岛,立着一个刻有王羲之书传的很大的“鵞”字的石碑。鹅泉就在那个岛的对面。真可称作是翡翠绿色的水,看起来象一个池子,其实是个泉水,大量的水喷涌而出,据说就是我们第二天访问的那个巨大瀑布所在的那条河的水源。听说,古时候有个老妇人在这个泉水的旁边捡到两个鹅蛋来养育,其实它们是龙王的儿女,泉水与它们一起成长,日益增大,后来那个妇人得到了龙王的恩惠,鹅泉这个名称就由那个传说而来。天气虽然很热,不过周围是很寂静和优美的风景。
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鵞泉から出る流れには、石造りの古い橋がかかっている。いつ頃のものかは分からないが、このあたりの特徴のあるカルストの山と叢状の竹を背景にした古橋の風情はなかなか趣のあるものだった。 |
在从鹅泉流出来的河上,架着用石头筑成的古桥。也不知道是何年何月的东西,但映衬着这一带有特色的喀斯特山峰和丛状的竹林,古桥的风情具有十足的情趣。 |
旧州 鵞泉から南にある村で、ここはカルスト特有の、底の丸い壷を伏せたような山と川が作る風景が美しく、有名な桂林を想わせるので「小桂林」と呼ばれている。国内の観光客もかなり訪れていた。ここはまた「繍球の郷」とも称している。繍球と言うのはチワン族の民芸品で、両端が尖り少し弧を描くように湾曲している楕円形の厚手の布を三枚を縫い合わせて作った円錐状の物を十二個組み合わせて球状にし、表面には鳥や花のきれいで可愛らしい刺繍をし、四隅と中央に赤、緑、黄色の糸の房をつけ、ぶら下げて飾るようにしたもので、かなり手間がかかっているようである。小さい物で径三センチほど、ホテルのロビーなどには数十センチほどのものが飾ってあった。カラフルできれいな物である。村の家々の門口では女性達が作り売っていた。 |
旧州
位于鹅泉南边的一个村庄,这里有喀斯特独有的扣着底部象圆壶的山,与河流组成的风景很漂亮,令人联想起有名的桂林,所以有“小桂林”之称。国内的观光客也纷纷到访。这里还被称作“绣球之乡”。绣球是壮族的工艺品⑤,两端是缝合了三张尖壮的稍微描成圆弧的弯曲的椭圆形的厚质的布,做成圆锥状的东西,又将之十二个组合成球状,表面是鸟或花的美丽可爱的刺绣,四边和中间系有红、绿、黄颜色的排须,悬挂着作装饰,看来做起来十分的费工夫。小的绣球大约直径3厘米,酒店的大堂等也装饰着直径几十厘米的大绣球。色彩鲜艳又美丽,村子的每家每户门口都有女人们在做和卖绣球。 |
川の中では水牛が水浴している様子も見られた。今回旅した地域では労役には水牛を使っているようで、至るところでその姿が見られた。 |
河里看见了水牛沐浴的样子。这回我们旅游的地方好象还在用水牛来做劳役,所以到的地方随处可见到水牛。 |
この日の夕食にはチワンの特別料理を注文した。メニューは、
〇蛇と鶏と野菜などを煮こんだスープ
〇細かく刻んだオオヤモリのスープ
〇竹虫(竹の中にいる長さ三~四センチの、蚕を小さくしたような幼虫の素揚げ
〇竹鼠と言う野生動物(鼠の仲間のげっ歯類らしい)の煮込み料理
だった。私達の感覚からするとゲテ物の類かも知れないが、どれもなかなか美味しく、特に皿に山盛りされた竹虫には何度も手が出た。
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这一天的晚餐我们订了壮族的特别料理。菜单是:
〇用蛇、鸡、野菜煮成的汤。
〇剁粹的蛤蚧煮成的汤。
〇竹虫(竹子里面的长约3—4厘米的、好象把蚕缩小一样幼虫的油炸的虫子)
〇叫做竹鼠的野生动物(好象是鼠之类的啮齿类)煮成的菜。
从我们感觉来说可能会是粗俗的东西,但每种都是很好吃的,特别是对盛满盘里的竹虫,我频频伸出筷子。
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夕食後チワン族博物館を見学し、その中庭で民族芸能ショーを観た。終わってホテルに帰る途中、ここでも夜歌墟をやっていた。徳保とは節回しが違うそうである。ホテルでベッドに入ってからもその歌声が聞こえ、何か郷愁を誘われた。
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晚饭后我们去参观了壮族博物馆,在当中的庭院里还欣赏了民族文艺的演出。结束以后在往酒店的途中,也有夜歌圩在举行。听说曲调和德保的不同。在酒店里上了床后,还能听见那些歌声,不知不觉引发了我的乡愁。 |